憲法

2016年4月17日 (日)

渡辺康行・宍戸常寿・松本和彦・工藤達朗「憲法Ⅰ 基本権」日本評論社


アマゾンでは、4月20日発売となっていましたので、予約をしていたのですが、本日16日フラゲ。
じっくり読みたいと思います。

2016年3月24日 (木)

浦部法穂「憲法学教室(第3版)」日本評論社

10年ぶりの改訂ということで、人権論が分かりやすい基本書として、どのようなことが新たに記述されているのか、三段階審査については言及があるのか、など気になることがたくさんあり、リアル書店で購入。
96条の改正の動き、
解釈改憲による集団的自衛権肯定→安保法制、
自民党憲法案についてなど、
近時の憲法をめぐる動きについての浦部先生の考え方が序章で分かります。

想像通りです。というか、そのとおりです。立憲主義からすれば(佐藤幸治「世界史の中の日本国憲法」参照)、大半の憲法学者の仰るとおりになると思います。
マイナンバー法、ヘイト・スピーチ、特定秘密保護法についても述べていますし、「21世紀憲法学へのキーワード」、「近代立憲主義の本音とたてまえ」、「公共の福祉論」、「教育を受ける権利」など、とても参考になる記述があります。芦部憲法をわかりやすく、予備校の講義のように理解させてくれる、有益な書であることは間違いないです。一気に読み通せる、まるで、民法案内の憲法版と言えるものです。

でも、三段階審査についての言及はなく、24条の解釈論もなく・・・、残念。というか、ないことが答えなのでしょうか。

2016年3月18日 (金)

佐藤幸治「世界史の中の日本国憲法~立憲主義の史的展開を踏まえて」左右社

書店で見つけて購入。


2015年6月6日東京大学で行われた「立憲主義の危機」(「立憲デモクラシーの会」主催)の講演用の原稿を基に書かれたもので、すぐに読めると思います(注を除いて92頁)。わかりやすく読みやすいのですが、奥が深いです。

色々と参考になる記述があり、以下、覚書。

12頁
「非立憲」とは違憲とまでいっていなくとも「立憲主義の精神に違反する」場合を含み、政治家たる者は『其の行動の、啻に違憲たらざるのみならず、非立憲ならざるやうにせねばならぬ』(佐々木惣一「立憲非立憲」)
10頁以下
 伊藤/井上の立憲主義定着のための働き
→ 大正デモクラシー(原敬)
→ 国際連盟規約(1919年)・ワシントン海軍軍縮条約(1922年)・不戦条約(1928年)調印
 ⇔ 原敬暗殺(1921年)、治安維持法(1925年)、1929年世界大恐慌、
→ ロンドン海軍軍縮条約(1930年)調印
 ⇔ 1930年11月浜口首相狙撃、1931年満州事変、1932年五・一五事件、国際連盟脱退(1933年)、京大滝川事件(1933年)、天皇機関説事件(1935年)、二・二六事件(1936年)、国家総動員法(1938年)、日独伊三国(同盟)条約調印・大政翼賛会結成(1940年)、大東亜戦争(1941年)
→ ポツダム宣言という流れで「1945年8月15日の真の意味」(19頁以降)
この「1945年8月15日の真の意味」(19-28頁)に、ポツダム宣言10項の「日本国政府は、日本国国民の間に於ける民主主義的傾向の復活強化に対する一切の障碍を除去すべし。・・・」の「復活」の意味についての解説(五百旗頭真『日米戦争と戦後日本』に拠っている)が、良かったですネ。
46頁 ナチスの記述。経済活性化で国民の支持を得ていった・・・との記述がなんとも。
91頁 「歴史から学ばない民族や国民に発展の可能性はない」という田中浩の言葉を引き、人類にとって今一番必要なことは「自制」力の保持であるとし、憲法97条を読んで講演を閉じています。
立憲主義の説明ももちろん参考になります。
この本と同時に、前田先生のエッセイと、高橋民訴を購入したので、これから読んでみたいと思います。
 

2014年12月30日 (火)

法学教室412号「特集 有斐閣法律講演会2014 憲法事例問題を対話する」が素晴らしい

フジサンで定期購読にしちゃいました。
もう、どれぐらい買っているんだろう。
芦部先生の連載があった頃から毎月買っていたので、
定期購読の方がお得なので。

さて、412号(2015年1月号)の特集。
有斐閣法律講演会「憲法事例問題を対話する」は、
良いですネ。

三段階審査論で有名な松本先生と、

憲法解釈論の応用と展開の宍戸先生。

司法試験の問題はこのように考えて解いていくんだーというのが
わかります。

判例の射程と言われますが、
その真の意味(テクニックと呼ぶべきかもしれません)が分かります。

憲法をマスターしたい、という方は絶対に買うべき、読むべき。

2014年10月22日 (水)

木谷明(山田隆司・喜多山宗 聞き手・編)「『無罪』を見抜く  裁判官・木谷明の生き方」岩波書店

非常に興味を持てた本でした。

37頁以降です。

法学部の教授陣(一番感銘をうけたのは三ヶ月先生の民事訴訟法の処女講義、宮沢先生の授業が一番面白かった=憲法の漫談でゲラゲラ笑っているうちに授業が終わったなど)というところからですネ。

77頁以降には、「令状基本問題」が出来上がるまでの経緯、
第4章「平賀書簡問題」での札幌地裁の話、白鳥事件の話、
第5章では調査官時代の話(事件の配点の話や調査報告書、調査官解説、大法廷配付の判断、
第6章「憲法判例をつくる」では、四畳半襖の下張事件、月刊ペン事件、団藤・伊藤先生の話、
そのほか、最高裁における事実認定審査のあり方や30件に及ぶ無罪判決などでは、事件への取組み方のキホンを学ぶことができると思いました。

そのほかにも法曹界で著名な先生方が登場しますので、司法界・法曹に興味のある方には、是非、オススメな本です。

2014年7月 1日 (火)

「憲法」をとりもどす。

今日、集団的自衛権容認の閣議決定がなされるようです。

前にも書きましたが、

わたくしは、解釈改憲によるのではなく、
正々堂々と憲法改正手続きに則って国民の賛成を得るべきだと思います。

国会での議論も十分に行われず、
与党の検討会議(1日3時間までで10日間ほど)だけで
いままでできなかった集団的自衛権の行使を認めるという方法は、
あまりにも拙速だと思います。

首相の会見で挙げた例も、現実性のない(アメリカ側が邦人を米艦で輸送することはない、アメリカ国民・民間人を輸送することはないと述べています)例で説明し、感情に訴えるやり方も、非常に汚いやり方だと思います。

昨年は憲法改正手続き条項を変えようとして、「国民投票にかける機会を増やしたい、憲法を国民に取り戻す」と言っていたことと正反対です。

ということで、手続に問題あり、と考えます。
だからこそ「憲法をわたしたち国民に取り戻す」必要があると思います。
集団的自衛権については、国民投票で是非を問えば良いと思いますが、
日経の世論調査でも、集団的自衛権行使反対50%、賛成34%だそうです。

わたくし個人的には反対で、武力に以外の国際貢献ができると考えており、武力行使をしない国だからこそできること、得られる信頼というものがあると思います。
理想主義だと言われるのですが、理想に向かって現実社会を良い方向へ向かうよう努力することが大事だと思っています。

2014年6月22日 (日)

山下純司・島田聡一郎・宍戸常寿「法解釈入門・・・法的に考えるための第一歩」有斐閣

近時の若手の有力な法学者による法解釈入門。

入門と言いつつ、かなり高度なところまで扱っていますが、
真面目な法学とたる者は、是非、読むべき本だと思います。

と言いつつも、出版当時は気にはなっていたものの、
触手が伸びなかったのも確か。

でも、最近の色々な論文を読んでいると、この文献の引用が多いと思っていたところへ、
トドメは民法の大御所・京都大学名誉教授の前田達明先生の法学教室405号から始まった連載「『法解釈入門』の入門」(同52頁以下)。

この本をよく理解するために、法解釈についての基礎的知識を確認しようというのが目的だそうで、
ロースクール、法学部の学生、教える側も読むべき本として絶賛しています。

この連載もお茶目な例で、面白いです。




最初は解釈の初歩からなので、かったるいなーと思われるかもしれませんが、だんだんと、いや急激にレベルが上がっていきます。

わたくし一番のオススメなところは、
山下先生の第7章(全部良いです)、特に権利外観法理はルールではない、というところでしょうか。

2014年6月19日 (木)

宍戸常寿「憲法 解釈論の応用と展開(第2版)」日本評論社

早くも第2版が出ますネ。

学習者の誤解を芯からほぐし、
憲法解釈論の深い理解を導いた初版から3年。
この間の新判例、文献を網羅して刊行する待望の第2版。
目次を比較すると、
設問の検討というタイトルはなくなり(でも、サブタイトルがそのままタイトルになっています)、
いくつか加筆もされており、
また補論(出題趣旨・採点実感と憲法の学習)も追加されています。

急所や、再入門などに対する応答も
見てみたいものです。

2014年6月13日 (金)

集団的自衛権について

集団的自衛権について、
わたくしは、解釈改憲によって認めることには反対です。

その理由は、多くの方が仰っていることを軌を一にします。

例えば、

2014年4月11日 (金)

奥平康弘×木村草太「未完の憲法」潮出版

対談です。

木村先生が奥平先生にインタビューするという形式です。

1日で読み終えますが、勉強になります。

基本を、法律を学び始めた時の思いを呼び戻してくれました。

とともに、憲法をめぐる現在の状況やその見方を教わったように思います。いまの改憲論議が中心かと思いましたが、表現の自由についての近時の議論についてもなされていて(ヘイトスピーチ、君が代訴訟についての木村先生の見解に対する奥平先生の感想だったり、蟻川先生の「腹話術師的な政治言論」など)、オススメな本です。ちょうど、「憲法学再入門」を購入し、電車の中で読んでいるのですが、「未完の憲法」を購入した日には憲法学再入門の第6章を読んでいたこともあって、興味深く読むことができました。宮沢俊義先生の話も興味深かったです。

以下、自分用の覚書。

立憲主義の前提である「憲法を制定する権力は国民にあるのだ」(国民主権)ということが、ほんとうは敗戦とともに全国民に強く訴えられてしかるべきだったと思います(17頁)。

実定的な憲法は、「それを作ったのが誰なのか、何のために彼らは作ったのか」という原点をないがしろにしては、深い理解ができない(25頁)。

「民主主義的な立憲主義」(32頁)。

民主主義における「民」ということの意味について、本質的次元においては、いま生きている有権者のことだけを指すのではなく、過去から現在、将来に生きるすべての国民のことを指す(35頁)。

「憲法というものは世代を超えた国民が、絶えず未完成部分を残しつつその実現を図っていくコンセプトである」、「したがって、憲法はつねに未完でありつづけるが、だからこそ、世代を超えていききと生きていく社会を作るために、憲法は必要なのだ」(35頁)。

「未来への想像力なしに憲法の解釈はできないし、民主主義的な決定もできない」(35~36頁)。


85頁以下、「作為の契機の不在」

私は、すべての人間を尊重することこそが民主主義の根幹であって、全員が政治決定に参加することが民主主義的ではないと思うんですね。それは、「多数決が民主主義なんだ」というのと同じくらい浅薄な理解に思えます。そもそも、安倍政権が九条改正というほんとうの目的を隠して、そのための手段である九六条改正によって国民投票が行われたとして、それがどうして民主主義の成熟に結びつくのでしょうか?それはむしろ、国民が権力に騙された哀しい姿でしかないはずです(87頁)。

専門の法律家であれば誰が解釈しようと同じ結論が導き出されます。それこそが「法の支配」であって、「人の支配」ではないわけです(140頁)。

「人間の安全保障」(アマルティア・セン)(155頁以下)

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