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書店で見つけて購入。
非常に興味を持てた本でした。
37頁以降です。
今日、集団的自衛権容認の閣議決定がなされるようです。
前にも書きましたが、
近時の若手の有力な法学者による法解釈入門。
入門と言いつつ、かなり高度なところまで扱っていますが、
真面目な法学とたる者は、是非、読むべき本だと思います。
早くも第2版が出ますネ。
対談です。
木村先生が奥平先生にインタビューするという形式です。
1日で読み終えますが、勉強になります。
基本を、法律を学び始めた時の思いを呼び戻してくれました。
とともに、憲法をめぐる現在の状況やその見方を教わったように思います。いまの改憲論議が中心かと思いましたが、表現の自由についての近時の議論についてもなされていて(ヘイトスピーチ、君が代訴訟についての木村先生の見解に対する奥平先生の感想だったり、蟻川先生の「腹話術師的な政治言論」など)、オススメな本です。ちょうど、「憲法学再入門」を購入し、電車の中で読んでいるのですが、「未完の憲法」を購入した日には憲法学再入門の第6章を読んでいたこともあって、興味深く読むことができました。宮沢俊義先生の話も興味深かったです。
以下、自分用の覚書。
立憲主義の前提である「憲法を制定する権力は国民にあるのだ」(国民主権)ということが、ほんとうは敗戦とともに全国民に強く訴えられてしかるべきだったと思います(17頁)。
実定的な憲法は、「それを作ったのが誰なのか、何のために彼らは作ったのか」という原点をないがしろにしては、深い理解ができない(25頁)。
「民主主義的な立憲主義」(32頁)。
民主主義における「民」ということの意味について、本質的次元においては、いま生きている有権者のことだけを指すのではなく、過去から現在、将来に生きるすべての国民のことを指す(35頁)。
「憲法というものは世代を超えた国民が、絶えず未完成部分を残しつつその実現を図っていくコンセプトである」、「したがって、憲法はつねに未完でありつづけるが、だからこそ、世代を超えていききと生きていく社会を作るために、憲法は必要なのだ」(35頁)。
「未来への想像力なしに憲法の解釈はできないし、民主主義的な決定もできない」(35~36頁)。
85頁以下、「作為の契機の不在」
私は、すべての人間を尊重することこそが民主主義の根幹であって、全員が政治決定に参加することが民主主義的ではないと思うんですね。それは、「多数決が民主主義なんだ」というのと同じくらい浅薄な理解に思えます。そもそも、安倍政権が九条改正というほんとうの目的を隠して、そのための手段である九六条改正によって国民投票が行われたとして、それがどうして民主主義の成熟に結びつくのでしょうか?それはむしろ、国民が権力に騙された哀しい姿でしかないはずです(87頁)。
専門の法律家であれば誰が解釈しようと同じ結論が導き出されます。それこそが「法の支配」であって、「人の支配」ではないわけです(140頁)。
「人間の安全保障」(アマルティア・セン)(155頁以下)