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2016年3月

2016年3月24日 (木)

浦部法穂「憲法学教室(第3版)」日本評論社

10年ぶりの改訂ということで、人権論が分かりやすい基本書として、どのようなことが新たに記述されているのか、三段階審査については言及があるのか、など気になることがたくさんあり、リアル書店で購入。
96条の改正の動き、
解釈改憲による集団的自衛権肯定→安保法制、
自民党憲法案についてなど、
近時の憲法をめぐる動きについての浦部先生の考え方が序章で分かります。

想像通りです。というか、そのとおりです。立憲主義からすれば(佐藤幸治「世界史の中の日本国憲法」参照)、大半の憲法学者の仰るとおりになると思います。
マイナンバー法、ヘイト・スピーチ、特定秘密保護法についても述べていますし、「21世紀憲法学へのキーワード」、「近代立憲主義の本音とたてまえ」、「公共の福祉論」、「教育を受ける権利」など、とても参考になる記述があります。芦部憲法をわかりやすく、予備校の講義のように理解させてくれる、有益な書であることは間違いないです。一気に読み通せる、まるで、民法案内の憲法版と言えるものです。

でも、三段階審査についての言及はなく、24条の解釈論もなく・・・、残念。というか、ないことが答えなのでしょうか。

2016年3月21日 (月)

樺沢紫苑「読んだら忘れない読書術」サンマーク出版


電子書籍で購入。30分ほどで読了。
読んだものを自分のものにするためには、アウトプットが必要で、その方法、読書の必要性などを述べています。そんなに新しく知ったことはなかったのですが、以下、気になったところを。

言語情報が不安を消し去ってくれる(脳の扁桃体が関連している)
読書はストレス解消効果がある(68%)
人間の能力は、脳を鍛えることによって、一生伸ばし続けることができる。
読書によって、情報や知識が増えるだけでなく、「言語能力」自体も磨かれる。
夢野久作「ドグラ・マグラ」(角川書店)
高い集中力が維持できる限界が15分、普通の集中力が維持できる限界が45分。
「追想法」
「守・破・離」

2016年3月19日 (土)

前田雅英「法の奥底にあるもの~ゆく川の流れは絶えずして万事塞翁馬」羽鳥書店

こちらもすぐに読了。
学問的に学ぶところは、佐藤幸治先生の本よりはなかったのですが、面白く読みました。
首都大学東京の話は・・・15頁以下の都立大学からの改編の話(15頁以下)と、名誉教授の話(144頁)。

1979年犯罪白書の日本社会の分析(20頁)。

刑法研究会の話(48頁以下)。

ミュンヘンの控訴院の1861年の判例(福田先生批判)。

法解釈は価値判断であり、価値判断を隠す手品である~鳩サブレ型解釈論はダメ(70頁以下)

平井宜雄教授の民法の初講義の受講(97頁)

共謀共同正犯に関する藤木教授の発表に対する木村亀二教授の指摘(99頁)

「事実」の重み(市川海老蔵事件=全治10日の傷の重さ)(123頁)

勘違い騎士道事件と正当防衛の範囲(127-128頁)


具体的妥当性を重視し、国民の規範意識(ポピュリズムとは異なる)に支えられた実質的犯罪論には、共感できるところがあります。

しかし。

しかしなんです。

具体的妥当性は誰が決めるんでしょう。「国民が」というのですが、それを時の権力がいいように使う危険性があると思うのです。

2016年3月18日 (金)

佐藤幸治「世界史の中の日本国憲法~立憲主義の史的展開を踏まえて」左右社

書店で見つけて購入。


2015年6月6日東京大学で行われた「立憲主義の危機」(「立憲デモクラシーの会」主催)の講演用の原稿を基に書かれたもので、すぐに読めると思います(注を除いて92頁)。わかりやすく読みやすいのですが、奥が深いです。

色々と参考になる記述があり、以下、覚書。

12頁
「非立憲」とは違憲とまでいっていなくとも「立憲主義の精神に違反する」場合を含み、政治家たる者は『其の行動の、啻に違憲たらざるのみならず、非立憲ならざるやうにせねばならぬ』(佐々木惣一「立憲非立憲」)
10頁以下
 伊藤/井上の立憲主義定着のための働き
→ 大正デモクラシー(原敬)
→ 国際連盟規約(1919年)・ワシントン海軍軍縮条約(1922年)・不戦条約(1928年)調印
 ⇔ 原敬暗殺(1921年)、治安維持法(1925年)、1929年世界大恐慌、
→ ロンドン海軍軍縮条約(1930年)調印
 ⇔ 1930年11月浜口首相狙撃、1931年満州事変、1932年五・一五事件、国際連盟脱退(1933年)、京大滝川事件(1933年)、天皇機関説事件(1935年)、二・二六事件(1936年)、国家総動員法(1938年)、日独伊三国(同盟)条約調印・大政翼賛会結成(1940年)、大東亜戦争(1941年)
→ ポツダム宣言という流れで「1945年8月15日の真の意味」(19頁以降)
この「1945年8月15日の真の意味」(19-28頁)に、ポツダム宣言10項の「日本国政府は、日本国国民の間に於ける民主主義的傾向の復活強化に対する一切の障碍を除去すべし。・・・」の「復活」の意味についての解説(五百旗頭真『日米戦争と戦後日本』に拠っている)が、良かったですネ。
46頁 ナチスの記述。経済活性化で国民の支持を得ていった・・・との記述がなんとも。
91頁 「歴史から学ばない民族や国民に発展の可能性はない」という田中浩の言葉を引き、人類にとって今一番必要なことは「自制」力の保持であるとし、憲法97条を読んで講演を閉じています。
立憲主義の説明ももちろん参考になります。
この本と同時に、前田先生のエッセイと、高橋民訴を購入したので、これから読んでみたいと思います。
 

2016年3月10日 (木)

電子書籍 山口厚「刑法(第3版)」有斐閣

山口先生の刑法は、電子書籍化されているんですネ。書籍でも持っているのですが、電子書籍化されていることを知り、即購入。i-phoneで読んでいます。

そのほか、芦部憲法第6版も。



行政法は、「基本行政法(第2版)」であります。

民法はハイブリッドの総則第2版と家族法第2版をhontoで購入。民法や訴訟法、商法が充実すると良いのですが・・・。

本を読むとき線を引くのですが、電子書籍でも一応、マーカーを引くことが出来ますが、制限があるようで、山口刑法は、100頁も行かないうちに引けなくなりました・・・。

2016年3月 9日 (水)

山口厚「刑法総論(第3版」有斐閣、フライングゲット

某書店で、棚に並べられる前の台車に載っている山口総論第3版を発見。即、購入しました。3月10日発売予定ということでしたが、1日早くゲット。

はしがきを読むと・・・

1.実行行為の危険性の現実化によって因果関係を判断するという理解を作為犯のみならず、不作為犯にも行き渡らせることを明確にしたこと
2.上記1の要件と並んで、結果の発生が結果回避義務の違反に基づくことが結果帰属の要件となることを明確化

3.結果原因の支配を実行行為性・正犯性の基準として重要視するという理解を、過失犯の結果回避義務を含む作為義務及び関連する論点の理解にまで及ぼした

4.共犯論においては、理論的な整理を進めたほか、最高裁判例を踏まえて承継的共犯について再検討を行い新たな試論を展開し、過失犯の共同正犯についても過失犯・共同正犯に関する議論の進展に応じた新たな考察を加えた

5.従来こだわってきた構成要件概念については、実質的に考慮されるべき点が確認されるのであれば、あとは「概念の使い方」の問題にすぎないという観点から、通説的な見解である違法・有責行為類型説にあえて異を唱えるまでもないと考え、それにも対応した記述を行った。

ううん、第2版の実行行為概念に続き、構成要件概念についても・・・。

山口総論は、はしがきで衝撃を受けますネ。

これからじっくりと味わいたいと思います。

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