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2015年12月

2015年12月 8日 (火)

潮見佳男「民法(債権関係)改正法案の概要」きんざい

忙しくて有斐閣法律講演会での内容と照合がまだ完全には終わっていませんが、やはり被るところが多く、講演の復習になります。

道垣内先生の言うように、「実務書の改正法案の説明」では危ういところがあるので、信頼が置ける潮見先生の本なので信頼が置けますし、ちょっとした一言に問題が含まれていることを気付かされます。なぜ、この本があるのに、他の本で改正法を学ぼうとするのか、というぐらいオススメです。

2015年12月 7日 (月)

長谷部由紀子「民事訴訟法」岩波書店

もう、だいぶ前に読了していたのですが、

ブログをしばらく放っておいたので、
感想を書いておこうと思います。

ページ数は、最近の民事訴訟法の本にしては少なく(?!)、400頁ちょっと。
目的論はあっさり、12頁には「公共財」としての判決なんていう注があるところでクスッと笑ってしまうのはわたくしだけではないでしょう。
注の書き方については、四宮民法総則の影響だということが、法学教室の記事で出ていましたネ。
初学者がこれ1冊で何とかなるかというと、ちょっと厳しいような気がします。しかし、簡単な入門書を読んだ後に長谷部民訴を読むと力を発揮するのではないでしょうか。
16頁以下の「民事訴訟の基本原則」で早くも弁論主義や釈明など、重要論点が出てきます。定義もしっかりと述べられていますし、よーく読むと多くの論点に触れられていて、まさに四宮民法総則(能見先生の改訂前)と同じ香りがします。
読んでいてストレスに感じるのは、長谷部説はどれ?というところが多々あるところ。自説を述べた上で当否を読者に委ねるという書き方のほうが、わたくしは好きです。
これ1冊で民訴をマスターすることはできないけれど、どんな本でもそうでしょう。
民訴をマスターするなら、現時点では、和田民訴か新堂民訴かなと思いますが、両方とも厚すぎる、という方には、3冊目に候補にも入れて良い本だと思います。

2015年12月 6日 (日)

有斐閣法律講演会2015 新しい「民法(債権法)」案を知る・学ぶ 2日目

有斐閣法律講演会2015「新しい『民法(債権法)』案を知る・学ぶ」の2日目に行ってきました。

石川博康准教授
 原稿を読まれて進めていく形だったと思います。14頁のレジュメを60分で、消滅時効・売買・役務提供契約・要物契約の諾成契約化を、一気に。滑舌も良く、聞き取りやすかったのですが、原稿を読み進めていく形が60分続くので、疲れました・・・。
 時効の起算点のところは、最後に道垣内先生からの補足で異論・突っ込みがありました。
 売買の担保責任の法的性質についても、補足で指摘されていましたが、適用事例は多いところですから、しっかりと丁寧に論じられていました。
 役務提供契約のところは、「整合性」を取ったところから説明していくのですが、レジュメで表にまとめておいてくれると分かりやすかったのですが、あっちこっちにレジュメが飛ぶので少し聴衆が混乱していたようにも思います。
加毛彰准教授
;債務不履行・債権譲渡・相殺を11頁のレジュメで、現行法の規定の構造→改正法案の内容という流れで説明され、とても分かりやすかったと思います。起草過程の話もされていたので、平井先生の債権総論の論の進め方と同じだったので(参照しているのでしょう)、理解が進みました。誤植が多かったのがもったいなかったです・・・。
幡野弘樹教授
;30頁のレジュメで、(1)法案のポイント、(2)現行法制度外観、(3)改正の議論と法案の内容という形で、代理、債権者代位権、詐害行為取消権、多数当事者の債権債務関係(保証を除く)をまとめています。説明は、項目によって(2)・(3)を説明、または(1)だけ説明など、メリハリをつけてくれましたが、いかんせん、項目が多く、大変だったと思います。聴いている方も大変でした。ただ、あとでレジュメを見れば、分かるようになっています。他の先生方の講義とは異なり、講義を聞きながらレジュメに線を引く(他の先生方の講義はメモをとりまくっていました)という形でした。改正の重要ポイントも把握できました。
道垣内弘人教授
 ;最後に「改正債権法と取引社会・まとめ、補足」ということで再登場。トリをつとめました。今回の民法改正は「ルールの改正ではなく、失われた予見可能性の回復であった。ところがその予見可能性の回復も十分になされなかったと言わざるをえない」という、ところですネ・・・。確立された判例法理を明文化したのは50箇所以上とのことでしたが、その名部下の段階で争いが生じた例として「動機の錯誤」を挙げられていました。中間試案からかなりのものが削ぎ落とされたことに対する恨みつらみ、愚痴・・・と冗談ぽく言われていましたが、かなりの抵抗を受けたことが分かります。
 改正に関する実務書に書かれているいることの注意点を、「定型約款」を例にして話されていました。
 最後に補足として(少し時間も延長)、賃貸借、錯誤、詐欺、保証、消滅時効の起算点、瑕疵担保責任の法的性質、他人物売買、請負の担保責任、債権譲渡についてザッと説明。もっと話をしたかった(異議を留めない承諾についても話をしたかったようです)とのことでしたので、有斐閣さん、是非、道垣内先生に法学教室で改正案について説明していただく記事を載せていただくと、助かります(是非、読みたいです)。
 

2015年12月 5日 (土)

有斐閣法律講演会2015 新しい「民法(債権法)」案を知る・学ぶ

久しぶりに書きます。

有斐閣法律講演会2015「新しい『民法(債権法)』案を知る・学ぶ」の初日を聴きに行きました。
大村敦志教授
 長年、審議・検討してきた改正内容が削り取られ、異論のないところだけになってしまった。しかし、それでも希望は残る。検討がなされたり、不十分ながらも条文ができたことが始まり・出発点。財産分与の発展のように、立法で播いた種を、判例、学説そして市民社会が共同で育てていく。
角田美穂子教授
 90分と長い時間を割り当てられるも、時間配分を間違え、定型約款が途中からハイスピード、賃貸借はレジュメを見ておいて、で終了・・・。話は巧かった。
道垣内弘人教授
 話がいちばんうまいし、面白いし、頭の良い人だな~と。話の持って行き方も素晴らしいし、不能に関するチャートがあるレジュメの1頁目(講義のメモを付した)は重宝します。
大澤彩准教授
 45分しかなく、レジュメに沿って改正のポイントを淡々と講義を進められていました。
久々の聴講で、疲れましたが、明日もしっかりと聴いてきます。
参加者は一部の20%引きという特典があるので(わたくしも2冊購入)、当日券があれば是非、参加してみてはいかがでしょうか(有斐閣のマワシモノではありません)。

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