前田雅英「刑法総論講義(第5版)」東京大学出版会
今日、届きました。
まず、この色。
どぎつい色ですネ・・・。
前田先生は、薄い基本書が流行っている現状を嘆いているようです(はしがき)。
裁判員制度が始まり、今後ますます「国民の納得」を得られるような一般常識に則った妥当な結論が求められる、そこを意識してきた前田説がこれからますます活躍していくのだ、という強い意志を序章から読み取ることができます(読みとりすぎか)。
判例の引用は多いですネ。
でも、最近の学説の流れを追えていない気がします。
西田・山口・井田の引用がまったくと言っていいほどない。
いままでの版のものと、引用が変わっていないんじゃないかな。旧版と対比して調べれる時間もないので、ざっとみた感じですが・・・。そこが残念・・・。合法則的条件説なんて相変わらず注で軽く触れるだけです。
前田説は面白くて好きなんだけれど・・・。
刑法で一番最初に読んだ本だったので思い入れは深いんです。
ただ、自分の中で採る学説は西田説になってきています・・・。前田刑法ではほとんど触れられていませんが・・・。
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