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2010年3月 8日 (月)

川井健「民法概論4 債権各論」第2部第4章から 覚書

193頁;大判大7・3・25民録24輯531頁
     =連帯債務者のうちの1人が、準消費貸借契約を締結した場合、
      他の連帯債務者が免責されるか否かは、当事者の意思によって
      決定すべき。

195頁;大判昭8・2・24民集12巻1484頁=抗弁権存続説→「合理的な意思を探求すべき」(193頁の引用。内田Ⅱ242頁、SⅣ104頁)

203頁;借地借家法という特別法の適用の有無→対抗力は常になし(近江178頁)

206頁16行目;誤字 誤(同条1項)→正(同条2項)

207頁;597条2項但書の趣旨=無償での恩恵供与だから(内田Ⅱ166頁)

211頁;賃借人Cが賃貸人Bに賃料を支払っていなかったとき(他人物賃貸借で)
      → 不当利得はOK。

213頁下から2行目 訂正すべき箇所
    ;建物および農地の賃貸借には604条が適用されるが、
    解約や更新の拒絶が制限されている。
   ⇒ 建物の賃貸借には、604条の適用なし(借地借家法29条2項)。

216頁1行目 誤植 誤 「修繕義務」 → 正 「義務」(修繕を削除)

218頁;大判昭8・2・8民集12巻60頁(山本Ⅳ-1契約402頁参照)
      =付加物が建物と別個独立の所有権の客体となっている場合、
       費用償還請求権は問題にならない。
        ⇒ 賃借人の収去義務(616条・598条)、
          造作買取請求権(借地借家法33条)が問題となる。

224頁;賃借権の譲渡、転貸がなされたときには、
     賃借人には、遅滞なく賃貸人の承諾を得る義務を負う
     ⇒ これが不可能な場合、賃借人は561条類推適用により、
       契約を解除できる(内田Ⅱ211頁)

225頁;転借人は賃貸人に対して賃貸借上の権利は有しない。

227頁下から1行目;誤植 誤 579条 → 正 597条

229頁3行目 誤植 誤 622条 → 正 621条

235頁下から9行目;誤植 誤 達物所有 → 正 建物所有

238頁;最判平6・10・25(百選57事件)

241頁;(3)(4)平成19年改正を反映させること(借地借家法23条・24条)
    ⇒ 潮見180-181頁。

243頁;解除権の制限(賃借権の譲渡・転貸に該当しないという事実認定)
    ⇒ 大判昭8・12・11裁判例7号民277頁
       (我妻有泉コメ1125頁、山本Ⅳ-1契約461頁)
       ;宅地賃借人が、借地上の所有建物を第三者に賃貸し、
       その借地を使用させても、借地を転貸したことにはならない。

245頁;最判平19・12・4民集61巻9号3245頁(重判平20民5事件)

251頁;敷金の返還時期
     最判平14・3・28民集27巻1号80頁(重判平14民3事件)
      =賃貸借契約が終了し、目的物が明け渡されたときは、
        賃料債権は敷金の充当により、その限度で当然消滅する。

253頁6行目;誤植 誤 借地法 → 正 借地借家法

257頁;訂正すべき箇所
    借家期間の保障
     ;604条の20年の期間制限(213頁)は借家について適用され、
     その期間内における借家の期間の定めは有効ではあるが、
     期間の更新が強化される。
    ⇒ 借地借家法29条2項は、民法604条の適用を排除。

271頁;用法違反の、無催告解除 ∵信頼関係の破壊が著しいので(253頁)

273頁;建物賃貸借終了の場合における転借人の保護
     → 借地借家法34条1項2項

277頁11行目;誤植;誤 523条 → 正 623条

282頁下から13行目 労働契約法制定に伴い
  ;労働基準法18条の2→労働契約法16条

282頁下から4行目 労働契約法制定に伴い
  ;労働基準法19条。なお労働契約法17条

283頁下から2行目;訂正;(631条の趣旨について)
    「賃貸借に関する621条と同趣旨である」を削除。

ひっかかったのはココ。

228頁;618条に関して「後述の特別法は解約権の留保を認めていない」
    ⇔ 加藤雅322頁!

    ⇒ 建物賃貸借における解約権留保について記載なし
        =山本454頁・622頁以下、内田Ⅱ225頁、近江206頁、
         潮見144頁、我妻・有泉コメ1135頁。

民法上・・・
 期間の定めがある場合⇒①期間満了によって終了
                 ②解約権留保→617条が準用
 期間の定めがない場合⇒いつでも解約申入れができ、
                一定期間経過によって終了
                (土地1年、建物3か月等)

建物の賃貸借の場合
 期間の定めがある場合⇒法定更新(更新拒絶の通知 借借26条)
                 +正当事由(借借28条)
 期間の定めがない場合⇒賃貸人からの解約申入期間(6か月に修正。借借27条1項)
                 +正当事由(借借28条)
 1年未満の借家期間 ⇒ 期間の定めがないものとみなされる(借借29条)

ここまでは分かる。

問題は、618条の存在。存続期間の定めがあっても、解約権を留保したときは、617条の適用がある(618条)。これが、建物賃貸借にも適用されるのか?

川井先生は、上記記述からすると、建物賃貸借では、解約権の留保は認められていない、なぜなら借借には、期間の定めのある建物賃貸借については借借26条にしか条文がなく、解除権留保付きで期間の定めのある建物賃貸借については沈黙している、ということなのか・・・。

他方、次のような理解も可能である。それが、加藤雅322頁。「期間の定めがない建物賃貸借、あるいは解除権留保付きで期間の定めがある建物賃貸借について、賃貸人が解約申入れをした場合には、借地借家法27条により解約申入れの時から6か月を経過した時点で賃貸借契約が終了する。それゆえ、民法617条1項にもとづき3か月で賃貸借契約が終了するのは、賃借人からの解約申入れがあった場合のみである」。借借27条の解約申入れには、解除権留保付きの場合の解除権行使も入るという解釈なんでしょうネ・・・。

ここについては、たぶん、民法上は議論にあまりなっていないところなんでしょう。川井先生の一文をどう読むべきなのか、ここでだいぶ、止まってしまいました。

借地借家法のコンメンタールでも、少し勉強したいと思います。

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