刑法読書歴。
刑法を勉強し始めようとしたときに、最初に読んだのが前田雅英先生の刑法でした。当時は、「分かりやすい!」という評判で、ゼミの先生に勧められたからでした。
読み始めて、たしかに面白く感じました。ドイツ、ドイツという学者の中で日本流のモノがあるのではないか、という姿勢は共感しました。
しかし、最初は結果無価値論の「違法性はあくまでも客観的」にという主張に、納得できませんでした。行為者の主観によって違法性の重さは変わるんじゃないの?と素人的に思っていましたネ。
いまでは、最初に読むべき本は前田先生の本ではないと思っています。大塚先生だなーと思っています。刑法が分かりだしたのも、大塚先生を読み終えてから。団藤先生を本当は読むべきなんだろうけれど、分かりやすさで大塚先生。その後、平野先生の本で刑法学の面白さを知りました。大塚・平野先生の本を読んで、前田先生の1文1文が分かってきたように思います。
前田先生は、「同意」のところで自己決定権を重んじるところ、違法性論のところで客観面を徹底するところ、構成要件的故意の説明が良いと思っています。
そして西田先生か、山口先生と続けば良いのではないでしょうかネ。もっとも、西田先生や山口先生だけでは、色々と足りないところがあると思いますが。
あ、堀内先生も個人的にはいい本だと思います。総論の辞書的に使う本として、内藤先生の本がありますが、ページ数の割には実は読みやすいですよネ。
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