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2009年8月20日 (木)

自分用メモ 大村敦志「生活のための制度を創る シビル・ロー・エンジニアリングに向けて」有斐閣

平井先生の「法政策学」から、このような分野に興味を持っています。だいぶ前に大村先生の本は買っていたのですが、軽く流し読み程度だったので、ちょっともう一度しっかり読もうと思い、以下、自分用のメモとして、まとめてみます。阿部先生も政策法学で頑張っていますが、大村先生のような見方もあるんですネ(316頁)。具体例に即し、「法戦略」の様々な視点には学ぶべきものがあるが、政策立案者を主たる名宛人としている点では、大橋先生よりもやや狭い感じがする、とのこと。たしかに、そういわれるとそうですネ。

では、以下から、個人的なまとめ。

序章 仕組みづくりは暮らしづくり

 制度とは何か(what)。どのような制度を(which)、何のために(why)、創ろうというのか。「生活のため」の制度とは具体的にはどのようなものなのか。なぜそれが求められているのか。また、「制度を創る」にはどうすればよいのか(how)。緊急の問題に対応するのか・よりよい制度を創るのか、法律によるのか・契約などによるのか(20頁)。

制度
 :私たちの行動の拠り所となるルールや仕組み(6頁)。制度の根幹には、法律によるルール・仕組みが存在することが少なくない。
 制度には、程度の差はあれ何かをするという要素が含まれ、人々の自由の行使・実現を助けるものを指し、ソフト中心の公共財であるということができる(9頁)。
 制度には、マイナスを除く「消極的な制度」と、プラスを与える「積極的な制度」とがあるが、制度の違いは相対的・連続的である。しかし、それでも、現代の日本社会において、人々が、「少なくともここまでは」と考えるもの(消極的な制度)と「こんなことができたらいい」と考えるもの(積極的な制度)を区別することは可能であり、かつ有益である。国民的なコンセンサスが得られやすく、法律による対処が相対的に容易なのは前者であり、後者はコンセンサスの形成に向けた様々な試みが必要であり、それらのあり方が異なるからである(10-11頁)。
 法律の支援を受けて「制度」が創られ、さらには生活の現場で生きる人々(生活者=支援)が、自分たちの手で「制度」を産み出そうとしている。こうした制度に注目(13頁)。

制度
 法律主導型(トップダウン型・全国レベルの大きな制度)
  ⇒ 法律・条例の助けが不可欠 → 強い制度・堅い制度

 現場創設型(ボトムアップ型・地域レベルの小さな制度)
  ⇒ 既存の法制度を利用・必要に応じた手直しも容易
   → 弱い制度(人々の参加によって支えられる)・柔らかな制度(人々の創意によって発展・進化)

4つのテーマ  育児・住居・環境・地域
 分類軸① 「人と人との関係(=社交)」にかかわる問題か、「物」との関係を含む問題か
 分類軸② 閉鎖的・固定的な関係にかかわるか、開放的・流動的な関係にかかわるか

社交;人と人との関係を広く指すとともに、家族でも市場でもない中間領域(公共の場)を指している。このような中間領域の拡張に注目し、そこでの人々のあり方に関心を寄せている。

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