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2008年5月 6日 (火)

川井健「民法概論」シリーズ 感想

川井健先生は、一橋大学名誉教授。昭和2年生まれ。

民法概論シリーズは、総則が第4版(2008年)、物権が第2版(2005年)、債権総論が第2版(2005年)、債権各論が初版(補ていが入っています)(2006年)、親族・相続が初版(2007年)。オーソドックスな体系で書かれています。

民法総則が1995年に最初に出されたと思うのですが、その当時はかなり力の入った力作だなーと思いました。近江幸治先生の民法講義シリーズの影響を受けてか、学説の議論の分かれ目を分かりやすく、書かれていたと思います。わたくしの大学時代のゼミの先生も、評価されていました。松坂佐一先生の「民法提要」シリーズの後継本になるのではないか(松坂先生の本も素晴らしい。誰か改訂をしてくれれば、あんなに良い本はないのに)、との期待を抱かせる内容でした。

総則・債権総論が特に秀逸です。

ただ、問題点がいくつかあります。

①誤字が多い・・・。お弟子さんたちが校正を買って出ればいいのに、もったいない。

②省略→重複の記載が少ない。「債権各論の慰謝料の記述」落ちなんてありましたが、、瑕疵担保責任の法的性質論は通常、債権各論に記述すると思うのですが、債権各論で一度論じているので、そちらに譲られていたり、と。

総則を書かれたときのような、あれぐらいの網羅性があれば、最強の基本書だと思うのですが、やはり完璧な基本書はないのですネ。自分で補完するしかないようです。「親族・相続」も、記述があっさりしており、総則とは異なる執筆姿勢を感じます。

③理由付けが少し薄い。学説紹介の所で理由付けを先に書いているからかもしれませんが、物足りなく感じしてしまうところが多々。

しかし、それをおいても川井先生の民法概論シリーズは、使い勝手が良いと思います。

民法概論 1 民法総則

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